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Antigravityが重くなった時の会話引き継ぎ方法

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目次

TL;DR


何が起きたか

長い会話で動作が重くなる

Antigravityを使っていたときのことです。

あるプロジェクトで長めの実装作業を任せていたら、徐々にレスポンスが遅くなり始めました。UIの反応が鈍くなり、エージェントの応答も明らかに遅延している。アクティビティモニタを確認すると、メモリ使用量がかなり高くなっていました。

原因はトークン予算の圧迫

調べてみると、Antigravityには1会話あたり約200,000トークンの予算があるとのこと。会話が長くなると、このトークン予算を消費していき、処理負荷が上がっていくようです。

また、会話履歴が増えるとローカルのストレージも圧迫されます。Antigravityはスクリーンショットや録画などの「Artifacts(成果物)」をローカルに保存するため、これも動作に影響している可能性がありました。


セッション分割で改善

基本的な対策

パフォーマンス問題の対策として、以下が有効でした。

1. 古い会話ログを削除する

Agent Managerの履歴から、不要になった会話を削除します。数十セッション以上溜まっていると、IDE全体のレスポンスに影響することがあります。

2. 長い作業はセッションを分割する

1つの会話で長時間作業を続けるのではなく、キリの良いところで新しい会話に切り替えます。トークン予算がリセットされ、動作が軽快になります。

残った課題:コンテキストの引き継ぎ

セッション分割で動作は改善しました。しかし、新しい問題が生まれました。

新しいセッションに、前の作業のコンテキストをどう引き継ぐか?

毎回「前回はここまでやった」「この方針で進めていた」と説明し直すのは面倒です。特に複雑な実装の途中だと、説明漏れも起きやすい。

AntigravityにはKnowledge Itemsという自動学習の仕組みがあり、蓄積された知識は自動的に引き継がれます。ただ、どの範囲(ワークスペース単位?ディレクトリ単位?)でどれだけ引き継がれるのか、ドキュメントを見ても明確にはわかりませんでした。特定の会話のタスクやファイルを明示的に引き継ぎたい場面もあります。


偶然の発見:Antigravityの回答

セッションを切り替える前に、Antigravityにこう聞いてみました。

「新しい会話に引き継ぐにはどうすればいい?」

すると、こんな回答が返ってきました:

「別の会話を開始する際に、「前回の会話(a1b2c3d4-…)の続きから」と伝えていただければ、これらのドキュメントを参照して作業を継続できます。特に current_issues.md には、次のセッションで対応すべき内容を詳細にまとめています。」

え、そんな機能あるの?

current_issues.md とは何か。どこにあるのか。気になって調べてみると、ホームディレクトリに見慣れないフォルダがありました。

ls ~/.gemini/antigravity/brain/

ここに、セッションごとのArtifactsが保存されていたのです。


brainディレクトリとは

概要

brainディレクトリ(~/.gemini/antigravity/brain/)は、Antigravityのエージェントが作業中に生成する記録の保存場所です。

~/.gemini/antigravity/brain/
├── a1b2c3d4-5678-90ab-cdef-1234567890ab/
│   ├── task.md
│   ├── implementation_plan.md
│   ├── walkthrough.md
│   ├── current_issues.md
│   ├── uploaded_image_1234567890123.png
│   └── uploaded_image_1234567890456.png
├── b2c3d4e5-6789-01bc-def0-2345678901bc/
│   └── ...
└── ...

各フォルダ名のUUIDが、それぞれの会話セッションに対応しています。

保存されるファイル

ファイル内容
task.mdタスクの進捗管理(チェックリスト形式)
implementation_plan.md実装計画の技術的詳細
walkthrough.md実装完了後の変更サマリー
current_issues.md次セッションで対応すべき課題
uploaded_image_*.png会話中にアップロードした画像

特に current_issues.md が引き継ぎに重要です。未解決の課題や、次回やるべきことがまとまっています。


brainを活用した会話引き継ぎ方法

方法1: UUIDを指定して引き継ぐ

新しい会話を開始し、前回のセッションIDを伝えます。

前回の会話(a1b2c3d4-5678-90ab-cdef-1234567890ab)の続きから作業してください。

エージェントはbrainディレクトリ内の該当Artifactsを参照し、コンテキストを理解した上で作業を継続します。

方法2: current_issues.mdを直接参照させる

より確実に引き継ぎたい場合は、ファイルパスを直接指定します。

~/.gemini/antigravity/brain/a1b2c3d4-.../current_issues.md を確認して、
未解決の課題から作業を再開してください。

会話IDの確認方法

会話IDは、Antigravityに直接以下のように聞くことで確認できます。

この会話の会話ID(UUID)教えて

回答例:

「この会話のIDは a1b2c3d4-5678-90ab-cdef-1234567890ab です。」

※ PlanningモードでGemini 3 Proを使用した際に確認。モデルや状況によっては回答が異なる可能性があります。


実践的なワークフロー

Antigravity単体での運用

  1. 作業開始: 新しい会話でタスクを指示
  2. 作業中: エージェントがtask.mdimplementation_plan.mdなどを自動生成
  3. 区切り: 動作が重くなってきたら、エージェントに「Artifactsを最新の状態にして」と依頼。task.mdimplementation_plan.mdcurrent_issues.mdなどが更新される
  4. UUID確認: 「この会話のUUID教えて」と聞いてメモしておく
  5. 引き継ぎ: 新しい会話を開始し、「前回の会話(UUID)の続きから」と伝える

ポイント: 引き継ぎ前にArtifactsを最新にしておくことが重要です。古い状態のまま引き継ぐと、新しいセッションで認識のズレが生じます。

Claude Codeとの併用

brainのファイルはMarkdown形式なので、Claude Codeなど他のAIツールからも読み取れます。

# Claude Codeでbrainの内容を確認
cat ~/.gemini/antigravity/brain/a1b2c3d4-.../implementation_plan.md

Antigravityで作成したimplementation_plan.mdをClaude Codeに読ませて「この計画をレビューして」と頼んだりできます。


注意点

brainには会話全文は保存されない

brainに保存されるのはArtifacts(成果物)のみで、会話のやり取り全文は保存されません。細かいニュアンスや議論の経緯は失われる可能性があるため、重要な決定事項はエージェントにArtifactsへ明示的に記録させましょう。

なお、~/.gemini/antigravity/conversations/ には .pb(Protocol Buffers)形式のファイルがあり、バイナリ形式で会話データが保存されているようです。直接読むことはできませんが、会話履歴はここに残っていそうです。

ストレージ容量

brainディレクトリ以外にも、Antigravityは browser_recordings/ ディレクトリなどに証跡ファイルを生成します。スクリーンショットやブラウザ録画が蓄積すると、ディスク容量を圧迫することがあります。不要なセッションは定期的に削除することをおすすめします。

# 古いセッションの確認
ls -la ~/.gemini/antigravity/brain/

# 不要なセッションの削除
rm -rf ~/.gemini/antigravity/brain/<不要なUUID>/

まとめ

Antigravityが重くなる問題は、セッション分割で解決できます。そして、会話の引き継ぎには brainディレクトリのUUIDを指定する という方法が使えます。

この機能は、Antigravityに会話引き継ぎ方法を聞いたことで偶然発見しました。Antigravityの回答がハルシネーションだった可能性もありますが、実際にbrainディレクトリは存在しますし、ファイルを参照させることで引き継ぎできるのは確かです。公式ドキュメントにも記載が見当たらないので、ちょっとした裏技として使えそうです。

パフォーマンス問題で困っている方は、ぜひbrainを活用したセッション管理を試してみてください。


参考

ZSL
ZSL

AIエンジニア

生成AIを活用した開発ワークフローの研究・実践をしています。